出版から少し経ちましたが、パレオさんの才能の地図の書評です。
「自分の才能は何か?鑑定できるのか?」
「自分の才能をどうやって開花させれば良いのか?」
「自分の才能をどうやって発揮させようか?」
という個人的な悩みから
「どうすれば部下の才能を育成できるだろうか」
「子供の才能を伸ばしたい。磨きたい!」
という相手に対する思いまで幅広く参考になると思いますのでぜひ最後まで読んでいただければと思います。
なぜ才能は存在しないのか?
本書でははじめになぜ才能は存在しないのかについて解説しています。「え、才能の地図っていう本なのに?」と突っ込みたくなりますが、理由は主に以下が挙げられております。
- 才能は環境によって変わるから
- 成功に必須の能力がないから
- 遺伝では決まらないから
1つ1つ見ていきましょう。
- 才能は環境によって変わるから
学校から追放されたエジソン
周りと揉めに揉めまくったジョブズ
など偉人の残念なエピソードには枚挙にいとまがありませんが、これをざっくり言ってしまうと職場や環境と才能のミスマッチ。内向的な人はあまり人と関わらない仕事に就くなど自分の特性に合った職業に就いた人は5〜10%給料が高い傾向にあるそうです。
- 成功に必須の能力がないから
良くある成功に必要ものとして挙げられるのが
IQ
自信
ポジティブ思考
やる抜く力
大量の練習
などがあります。しかしながらこれらを持ってしてもその人のパフォーマンスを予測できないという研究があるそうです。これは驚愕する結果ですが上のミスマッチなどを踏まえると多少は受け入れられるかもしれません。
- 遺伝では決まらないから
親ガチャ論争はまだまだなくなりそうにありませんが、研究によると「良心の裕福さ」と「子供のIQ」では将来の年収の14%しか説明つかなったそうです。全体の14%は決して少なくはないですが、他が86%ならば生まれで全てが決まるとは言いづらいですねぇ。
では、才能とは何か?
ここまで才能という幻について書いてきました。皆様はどう思ったでしょうか?
「いや、納得できない」
「そうは言っても、、」
と感じませんでしたか?実は私もです笑。それはひとえに、活躍している人を見ると、確かに何かしらの能力があるように見えるからでしょう。そこで本書では才能を今一度定義しています。
本書の結論はこうです。
才能とはグループ内の偏りが評価された状態である
いかがでしょうか?これなら少しは腑に落ちてくるのではないでしょうか?
この考えには経済学でいうところの比較優位の考えが根底にあります。すなわち
個人の能力は他者とのパワーバランスによって決まるので、相対的に偏った部分を見つけて特化した方が活躍できる
ということです。企画力で勝てなければ営業力で勝てばいいし、コーディング力で勝てなければ統計力で勝てばいい。現段階で自分がその資質を持っている必要もないんです。あなたはただ偏れば良いのです。