プロジェクトリーダーの教科書という本がITプロジェクトやデータサイエンティストの仕事にも有用なので簡易的に紹介する記事です。
PLになったけどわかんなすぎて辛い
プロジェクトが沼化してきた
なんていう人なんかはかなーり参考になります。本書はプロジェクトを定義、デザイン、推進、というフェーズで区切り、さらにそれらを4つに分けた系12フェーズでプロジェクトを説明しております。さらに特徴的なのが、著者が結構な失敗例が載っています。これが「あるある、、」となって非常に勉強になります。ちなみにプロジェクトフェーズの紹介はこちら。
定義フェーズ
1. 最終目標の決定
- なぜ目指すのか?(目的)
- そこにはないがあるのか?(ビジョン)
- そこまでの道筋は見えているのか?(これが目標)
を書いておく
- SMARTゴールで管理する
2. 対象範囲の決定
- 何をやるのかを目標で決めるのは大事だけれど、「何をやらないか」も明文化しておく
- 成果の3要素
- 成果の形状(商品orサービスor数字)
- 受け入れ基準を文書化する
- 受け入れプロセス(誰がいつどうやって受け入れるのか)も文書化しておく
3. 利害関係者の可視化
- 社外にも利害を広げる
- 中立、対立、推進をラベリングする
- 対立する理由を認知、利害、感情で分類する
4. 阻害要因の洗い出し
- 認識、評価、計画、監視でリスク(認識違いとかリソース削減とか)を管理する
デザインフェーズ
5. 資源見積
- 手法、前提、仮説、バッファで管理する(バッファは共有せよ)
6. 体制構築
- 肩書きでなく、役割と責任のマトリクスで管理する
7. 作業設計
- WBSとかIPO(インプット、処理(プロセス)、アウトプット)など定番の管理で管理する
8. ルール設計
- 「納得できる」「シンプルな」ルールを3つ以内で作る
- あくまで品質向上か生産性向上の目的を忘れずに
推進フェーズ
9. 変更管理
- 文章化、要望理解、影響調査、再受け入れ判断、再見積と作業指示
10. 組織運営
- チームライフサイクル(形成期、混乱期、秩序期、活動期)を理解する
- 必要ならば検眼を移行していく
11. 問題解決
- MECEでは漏れのなさを優先する
- 粒度は揃える
12. 意思決定
- 意思決定のプロセスを隠さない
こんな感じです。簡易的に書いたので、アクションを見た時によくわからない人は本書を読んでみてください。
個人的な実感ですが、本書の位置付けは本格的なPMとしては物足りなさもあるかもしれないが、いきなりPL/PMになった人や、データサイエンスには詳しいけれどPMの知識がない人には値段以上の価値がある本です。私もそうですが、データサイエンティストってこの辺の知見がなくてプロジェクトがグダることもあるんですよね。なのでデータサイエンティストやこれからデータサイエンティスト目指す人は軽く目を通してみてはいかがでしょうか。