ボランティアなど社会的活動をすると幸福になるというのはそこそこ知られた話。ボランティアみたいなものでなくとも、隣人を週1回でも手伝うだけで幸福度が上がったり、下手したら寿命も伸びるんですよ。
「親切」は確実に人間の幸福度をあげる。それでは、具体的に誰に親切にするのがベストなのか? | パレオな男
ところがどっこい、社会に不正があると認識した途端にこれが覆ってくるという研究が出てきましたのでご紹介。
社会不正と自己中心さの関係を大規模に調べたところ、、
当研究は116 か国の平均年齢39歳の男女121,207 人が対象。対象者には
自己中心度(自分に集中するべきか否か)
人生の満足度(0〜10)
社会の不正指数(地元の警察に対する意見、貧しい人々を助ける試み、司法制度と裁判所、女性に対する敬意と威厳のある扱い)
をインタビューし、自己中心性や満足度が社会不正の大きさによってどの程度変化するかを調べたんですね。
結果は予想通り
・社会に不正があると考えている人ほど自己中心的になると回答していた。
・またその場合、自己中心的であることに満足すら感じていた。
ということが明らかになりました。これはなんとも恐ろしい話ですねぇ。。
研究者曰く「社会不正が蔓延ると、他者や社会制度から適切にサポートされていないという主観的な感覚を持つ可能性が高くなります。そのような文脈では、自己を中心に考えることは個人が自分自身を大事にし、利用されないようにするのに役立ちます」とのこと。荒れた社会ではまず我が身を確保しないと!という防衛本能なのかもしれませんね。
最後に
というわけで今回は不正社会と自己中のお話でした。まあこの研究では因果までには言及していないので、社会が悪いと自己中が増えるのかはたまた逆なのかまでは分かっていないのと、自己中心度が2択(自分に集中するべきか否か)なのとという限界もあります。ひとまず個人ができることは荒れた地域からは撤退することくらいでしょうか。。。。
参考
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0191886922004275?dgcid=author