時系列の本で紹介されるのが、みんな大好き沖本本。
経済・ファイナンスデータの計量時系列分析 (統計ライブラリー)
- 作者: 沖本竜義
- 出版社/メーカー: 朝倉書店
- 発売日: 2010/02/01
- メディア: 単行本
- 購入: 4人 クリック: 101回
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私も暇を見つけてちまちま読んでいるのですが、まあいきなり読むと挫折を味わいます笑。
特に読んでて気になったのがP20のMA(移動平均)の定義の部分。この辺の話を書いてみますので、玄人の方などコメントいただけるとありがたいです。
(注)この記事はホワイトノイズ、分散、などの用語が説明なしに使われます。
そのまま引用しますが、沖本本には
(参考:経済・ファイナンスデータの計量時系列分析
経済・ファイナンスデータの計量時系列分析 (統計ライブラリー)
- 作者: 沖本竜義
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と書かれています。個人的に気になるのが、移動平均がホワイトノイズから生まれたかのような記述をしているところです。
でも、1次移動平均って、別にホワイトノイズでなくても構わないはずですよね?
1次の移動平均
そのために、まず素朴に1次移動平均を考えてみましょう。上の定義と合わせてこんな系列を考えます。
これに対する1次の移動平均というのは、下のように求まります。
1次だったら1つ前の時間を足して、2次だったら2つ前のも加えて足していって、、、。これが移動平均でした。上の式の添字をtにすれば、移動平均は
と書けます。上の例はかなりシンプルなものですが、移動平均は「1つ前のものを足していく」というのが本質なので最初にちょっと数が加えられていたり、
あるいはちょっと数が書けられていたり、
式が上のような形をしていても、移動平均の仲間には入ります。なので、沖本先生の式自体は異論はないのです。
Wikiでも、、、、
しかし、上のように、何か系列があれば移動平均は作れます。ところが沖本先生は、「ホワイトノイズからしか移動平均過程は生まれない」かのような文章を書いています。今のは系列(というか数列)の話です。これが移動平均「過程」になると違うのかなとも思いウィキペディアに当たったところ、やはりイプシロン項はi.i.dの正規くらいの仮定でした。
まとめ
で何が主張したいのかというと、上記の沖本先生の定義の前に
「移動平均は様々あるが、この本ではホワイトノイズを用いた定義を採用する」
くらいのニュアンスがあったほうがわかりやすくないですか、という話です。これがないと、全ての移動平均がホワイトノイズを用いて表せる、とも思えます。(最初にそう思ってしまったが、そんなことはない、はず。)この類の記述がないと、はじめに読んだ時に今までの移動平均の実態とかけ離れてしまうので読みづらくない?といういちゃもんです。それとも玄人のかたは自然に思えるんですかね、、、
参考
経済・ファイナンスデータの計量時系列分析 (統計ライブラリー)
- 作者: 沖本竜義
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