いじめを生む教室 子どもを守るために知っておきたいデータと知識 (PHP新書)
- 作者: 荻上チキ
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2018/07/13
- メディア: 新書
- この商品を含むブログを見る
いじめの75%は教室
この本によると、いじめが圧倒的に多いのは「昼休みの教室」ということになります。察しはつきますが、教師がいないからでしょう。ちなみに2番は階段らしいので、昼休みに大人が教室を監視していても、他が増えるだけかもしれません。もちろん、だからと言って放置していいわけではありませんが。
どんな教室?
ではどんな教室がいじめを生むのかというと、「体罰のある教室と抑圧のある教室」だそうです。体罰があると、生徒自身が「暴力はアリなんだ」と学習しますし、そもそも見ているだけで生徒に負荷がかかります。この負荷は、教室でのルールが過度に設けられている教室でも同様です。
この起こる場所と、教室での状況を鑑みれば、教師自体も深く関与していることが伺えます。しかしながら、短い間ですが現場を経験した立場的には、この背景には教師の労働環境の劣悪さもあるのです。昼休みに仕事を終えないと、帰宅が22時くらいになるかもしれません。教室にルールを設けなければ、教師が生徒からいじめられるかも知れません。つまり生徒と教師、どちらも抑圧されています。
この状況は、残念ながらしばらく変わることはないでしょう。なぜなら、日本は国の教育費が異常に低いからです。これが劇的に増えることや、教師の労働環境が劇的に改善されることはありません。教員は家に持って帰って残業がオチで、手が回らなくて教室にルールを敷いていくでしょう。自分の子供は、自分で守るしかないのです。すぐできることは、夏休み明けから11月までにいじめが多いことを認識して、子供とのコミュニケーションは増やしていきましょう。教室や学校にある(子供が理不尽だと感じる)ルールもヒアリングすると良いと思います。最後に、著者が主催するいじめナビものぞいてみると良いでしょう。
いじめナビ!ホームページ