「努力をすれば成長できる!」
というのはいつの時代にもある美辞麗句。
「いやいや、努力できるのも才能ですよ」
なんていう斜に構えた意見も、それはそれでマトを得ているような気がします。
そんなかで注目を浴びていたのが「マインドセット」。
あなたが誰であっても、あなたは知能レベルを大幅に変えることができます
と提唱されたのが有名な「しなやかマインド」。ビルゲイツも絶賛し、キャロルドゥエック教授は一世を風靡しました。
これに関してまとめたnoteも昔書いてました。
https://note.mu/mathlike/n/n6d6fec6010b3
ところが、「これの効果がほぼ無い」っていうメタ分析が出てしまい。私や茂木健一郎先生も涙目であります。
過去最大の調査
この調査は、マインドセットが提唱されたのが2006年で、そこから2016年までに出版された論文が対象(N = 365,915)。かなりの大規模だったのですが、この結果
相関係数0.08
という驚愕の結果に。あらららら。
ま、まあ、介入する時点で勉強な苦手な子供達相手だと0.19くらいなんで、勉強苦手な子供にだったら救いの手があるかもしれません。いづれにせよ効果量が0.35を超えるものがなく、マインドセットは残念な結果となりました。研究者も「「考え方の革命」が私たちの教育システムを作り直すための最善の道ではないかもしれないことを示唆しています。」なんていうやんわりな否定で締めくくっておりました。
雑感
というわけで、マインドセット理論が微妙だったという話でした。これに関してはエフィカシーでも似たようなことが以前に起こっておりまして。
教育での新しい概念がなんともいえない結果になりつつあります。教育界も荒れてますねー。(日本では新しい概念すら提唱されませんが)科学の世界で茶飯事ながら、また新しい理論を期待したいところであります。
参考
https://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/0956797617739704