お受験ママのトップとして君臨している佐藤ママこと佐藤亮子氏。子供4人全員を東大に放り込んで世間をにぎわせました。私もパラパラと読みましたが、すごいメソッドに驚かされるばかりです。皆様も
「この人のメソッドなら、うちの子も、、、」
と思ったのではないでしょうか。実際、その方法論はどれも今までにないもので、結構唸らせなれるものも多いです。
ですが、やはりこう思いませんか?
「これって、真似できる?」
と。著書などを拝見する限り(全て本人が執筆したわけではないでしょうが)、佐藤ママご自身が相当な知性をお持ちです。それだけでなく、ママ自身が専業主婦であり、子供4人をがっつり習い事に行かせているあたり、ご家庭の収入もかなり多いのではないでしょうか。
こう言ったことが気になってきますが、いち科学者としては、「子育てに根拠はあるのだろうか」ということが1番気になります。
そこで、不定期で佐藤ママを論文でもって検証していこうかと思い立ちました。研究で効果が認められているならば、気軽に真似もしやすいでしょうし、認められてなさそうならば、そこはコストカットできます。
1歳から公文に意味はあるのか?
以下の本には、長女を1歳から公文に行かせたというすごいエピソードがありました。
これだけ聞くと相当熱心な人だと感心しますが、これは果たして意味があるのでしょうか?というのが今回のテーマ。
早速ですが、
一般に早期教育には効果がないことが認められてます。
この結果についてはニューヨーク大学が「実際に子供のIQを高めるものが何か」について調べておりまして、早期教育についての研究を精査したメタ分析を取ってました。こちらによれば、少なくとも早期の介入においてIQは上がりません(参考1)。ですので、知能を高める目的で1歳から公文を始めることはほぼ無意味。
では、IQではなくて、単に数学の能力は上がるか?ってのが疑問として残るのですが、こちらはどうでしょうか。
幼稚園の数学能力は3年生くらいまでは、、、
別の研究では
「幼稚園児に算数ができると、その後もずっとできるの?」
ってところを調べた研究もありました。こちらもアメリカの大学で行われたもので、幼稚園児の時点と小学校3年次の時点を調べ、幼稚園児で数学の能力が他と比べて高い子はその後どうなるかを追った研究です。こちらは6つの幼稚園で行われ、
ベットに巻かれたチップのどちらが大きいか
などの感覚などを計測して、小学校3年生になるまで数回ほどテスト。この結果で良い成績の子が3年生でどれだけより成績をとってるか調べたわけです。
すると、
「わずかだが、1年生と3年生で優位な成果が得られた」
とのこと。ですから、公文やそろばん等を早く習わせることは、3年生までは効果がありそうなわけです。
ですが、この研究はサンプルがこの後現状してしまったため、3年生までで終わり。4年生以降の割り算や分数の計算が入ってくる学年では保証されないのです。
まとめ
というわけで佐藤ママを検証していく記事でしたー。私の結論的には「まあ公文は行かせなくて良いんじゃない?」くらいの結論です。そこらへんは躍起になって行かせなくてよろしいかと。
また最後に注意ですが、あくまで教育の内容に関してコメントしているだけで、ご本人を中傷するなどの意図はありません。佐藤ママご本人はすごい人だなという尊敬しているので、そこはすべからくご注意ください。
参考