先日、大好きな石川義樹さんからのツイートでこんなのがまわってきました。
Zuckerman先生による、社会科学系の論文の書き方ガイドライン。超勉強になります→https://t.co/V8UNiIFdtO
— Yoshiki Ishikawa (@ishikun3) 2019年1月27日
ザッカーマン先生はMITで社会学の教授を務める偉い人。戦略的な社会学や起業家なんかに精通しているそうで、その影響力は絶大です。
そんな先生が書いた論文の社会科学系の書き方ガイドってことなんですが、これがためになったので詳細をメモ。論文だけでなく、レポート作成なんかにも使えるかも。
10のTIPS
1.まず読む気にさせろ!
なぜその論文が大切なのかを書こう、ということらしいです。確かに読者を置き去りにしても読まれないもんですわな。ただでさえ科学論文は専門家以外で嫌煙されがちだし。
2.読者を知れ!
読む気にさせるには、ともかくもその人を知ること。いわゆるマーケティングですな。そのターゲットの趣味などを知らないと、読んでもらえないのはその通りかも。(私はこのブログでやってません笑)ザッカーマン先生は研究者なので、ざっくりと「聴衆向け?研究者向け?」で分けてるそうな。
3.美的動機よりも、実利的動機
世界の真理に決着をつけるのは大事ですが、これが議論を置き去りにしちゃいがち。美的感覚は主観的になりやすいので避けた方がいいかも。
4.結論より、質問を先に書け!
論文、というより学問は質問から出発するもの。質問→それに対する答えで書きましょうとのこと。
5.文学風にしない
これは良く言われることなんですが、レポートや論文だと確かに文学風にするなと言われます。(まあ英語下手なのに凝るなってことですが)常に簡潔に「問題はなんだ?」「それを解決するとなんなんだ?」ってのを書くべしだ、と。著者は「パズルを組むように」と書いてます。
6.仮説は1つで十分
するとたくさん論文が書けるから、というわけでなく笑、あまりに仮説が多すぎると、1つ1つの重要度が薄まるからだそうな。
7.仮説に説得をもたせる。
これも実験系だと大事だと思います。著者曰く
「著者の主張に説得がないとしたら、いったい誰がそれを気にするでしょう?」
8.限界を保つ
論文は「こういうことが言えました」という結論があり、それを説明しないといけないのですが、一方で、「こういう条件の下で」というのも書かないといけません。逆にそれを書くことによって、読んだ人は「こういう条件ではどうだろう?」と考える余地も生まれます。
9.読者に合わせる
読んでる人は、基本手探りで読んでるのでそこは丁寧に書きましょうと。退屈しないために、論文での結論やリサーチクエスションはすぐに書いた方がいいとのこと。
10.文献レビューを書くな!
9と関連しているんですが、先行研究のことをつらつら書いても飽きるもの。私も、論文を読み始めの時なんかはintroductionでヘトヘトになってしまい、「この論文ってなんの論文だっけ?」となることが良くありました。(今でも少し。)