「大事な決め事は忙しい時にするな!」
とかいうのはよく聞く格言です。
忙しい状態というのは人によって違うかもしれません。状況によっても変わってくるかと思います。
今回は、この忙しいを
「ワーキングメモリーに負荷がかかっている」
とします。ワーキングメモリーはちょこちょこ書いているので、ぜひ過去記事を参照してください。
今回はこれと意思決定のお話。
戦略の測定
戦略、というと大げさですが、色々な測定があるようです。今回ご紹介するのは「ブロックの数えかたにおける戦略」をご紹介します。
いま、マス目があります。
このマス目の色が塗られている数を数えてください、と指示します。このとき、あんまり思い思いにやられても実験にならないので、
・プラス戦略
ブロックを足して数える
・マイナス戦略
黒くないブロックを足して、全体から引く
の2つの方法で数えてもらいます。この2つの戦略ですが、色が塗られている数の方が多くなるほどマイナス戦略の方が効率がいいです。これは、塗られていない方が少なくなるので、直感的にも納得がいくのではないかと思います。
この、
「塗られている方が多くなった時に、マイナス戦略に変えよう!」
というのが、意思決定になるわけです。
ワーキングメモリーに負担をかけると?
今回の本題ですが、
「じゃあ、ワーキングメモリーに負荷をかける(=頭をいっぱいいっぱいにさせる)と、この意思決定や戦略にどう影響が出るの?」
というのが今回のテーマ。
これはベルギーのルーヴェン大学で行われたもの。各参加者は静かな部屋でテストを受け、コンピューターの画面でブロックを数えます。
すべての参加者は、2つの条件、すなわちWM負荷なしとWM負荷ありの2つの条件下で判断タスクを解決しました。
この結果、
ワーキングメモリーに負荷をかけると、マイナス戦略よりプラス戦略の方を選ぶようになった
とのこと。これが何を意味するかというと
「ワーキングメモリーが酷使されると効率的ではない戦略を選んでしまうかも」
ということになります。「めんどいけど、一個ずつ数えていけばいいやー」と投げやりになるんですね。
まとめ
というわけで、「頭がいっぱいだと、知らず知らずに非効率なことをしてるかもよ」
というお話でした。ワーキングメモリーを鍛えたり、適度に休んでいきたいですね。
今回は長くなってしまいました。最後まで読んでいただきありがとうございました。
参考