ここ最近はワーキングメモリーやら推論能力やらを取り上げておりました。
もちろん、どちらも大切で、鍛えておくことに越したことはありません。
(私自身はワーキングメモリーを鍛えたおかげで、記事の書くスピードは上がりました。)
ですが、
「結局何が一番効くの?」
というのは結構難しい問題でして、ごにょごにょしてしまします。というのも、論文によって
「ワーキングメモリーと推論には0、7の相関(めちゃくちゃ高い)が!」
「メタ分析ではワーキングメモリーと知性の相関は0.3くらい」
なんてありさまで、お互いの相関がはっきりとは決着が付いていないんです。
そんな中ではありますが、今回は
「ワーキングメモリーよりも実行機能の方が知性に関係あるんでない?」
というお話をば。
(実行機能については以下の記事もどうぞ。)
参加者は全員が大卒以上の航空交通管理訓練コースの学生229人。複雑で多くのタスクがいる職業を選んだんですね。対象者にはいつものごとく
・知能テスト(マトリクス訓練に近いもの。推論力も吐かれる)
・実行機能テスト(最後に紹介)
・ワーキングメモリーテスト
をそれぞれ実施して比べました。
その結果、
・ワーキングメモリーと知性との相関は0.2から0.33の間。
(これは前回までとほぼ同じ)
ところが、
・実行機能と知性との相関の方が、ワーキングメモリーと知性の相関よりも高かった!
・その相関は、知能テストが難しくなるほど強くなった!
(ワーキングメモリーは特に変わらず)
とのこと。つまり
「実行機能の方が大事なんじゃない?」
という結果が出たんですな。
まとめ
というわけで、「実行機能大事だよー」というお話でした。最後に実行機能の訓練ですが、「ハノイの塔」というのが定番です。スマホゲームでハノイの塔と検索すれば手軽にダウンロードできるのでぜひ遊んでみてください。
このほか、ビタミンD、運動(15分)、ヨガ(25分)などが効くみたい。こちらもどうぞ!
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参考
Fluid intelligence, working memory and executive functioning. - PubMed - NCBI