エゴサーチ、というのがある。
私はしたことがないが、この行為によって一喜一憂する気持ちがわかる。なぜなら、高等教育の教員にはアンケートがあり、この非匿名なアンケートにはコメント欄がある。最近記事を書けなかったことはご迷惑をおかけしてますが、お察しいただきたい(笑)
私は配った演習問題に対して解説を載せていない。(場合によっては、答えすら用意しない)答えを与えてしまうことが好奇心を奪ってしまうかもしれないし、なにより、社会に出て活躍する学生たちには「答えのない状況で答えを出す力」を養ってほしいいからだ。
まあ、この行為はすこぶる評判が悪い。
「答えや解説がないのにどうやって勉強すればいいのか」
「解説のない演習スタイル素晴らしいですWWW」
ほんの一例です。まあ、私も答えのない参考書なんかにはずいぶん苦しめられたので、気持ちはわからないでもないです。
そんな不満を抱えた学生には、申し訳ない話があります。
それは、タイトルにある「高等教育の、職務十分条件」です。
教育基本法にあります。92条には
教授は、専攻分野について、教育上、研究上又は実務上の特に優れた知識、能力及び実績を有する者であつて、学生を教授し、その研究を指導し、又は研究に従事する。
准教授は、専攻分野について、教育上、研究上又は実務上の優れた知識、能力及び実績を有する者であつて、学生を教授し、その研究を指導し、又は研究に従事する。
助教は、専攻分野について、教育上、研究上又は実務上の知識及び能力を有する者であつて、学生を教授し、その研究を指導し、又は研究に従事する。
講師は、教授又は准教授に準ずる職務に従事する。
この条文の、「又は」が強力だ。学生の教授、研究指導、研究のうち一つで十分なのだ。
ちょっと皆さんが学生だと思って、想像してみて欲しい。
世界的に有名な先生がいて、毎年一流雑誌に論文を出していると聞いたので、研究室に入ってみたら、学部生は、「修士に聞いて」と相手にされず、修士、博士はコマ使い。
学生のあなたは不満でいっぱいだろうが、この先生は職務を全うしている。研究に従事しているから。
文系は博士号すら持ってない人が多いというが、これすら
「研究しています」
で通じているのではないだろうか。
もちろん109条には
大学は、その教育研究水準の向上に資するため、文部科学大臣の定めるところにより、当該大学の教育及び研究、組織及び運営並びに施設及び設備(次項において「教育研究等」という。)の状況について自ら点検及び評価を行い、その結果を公表するものとする。
という条文があるが、これが必ずしもワークしてないのは皆さん自身が感じていることと思います。(大学職員の不祥事は、結構匿名で、そこの職員すら誰がやったのかわからないこともある)
私は結構うがった解釈をしているかもしれない。
が、上の解釈で言えば、私は「職務を全うしている」
これに大いに不満を持つ人は『正しい』
新しい大学を作る
素晴らしい行為だと思う。高等教育の救世主を求む。