教育ツールで人気なものといえばレゴ。私もレゴではないものの、ブロックとかで遊んだりしてました。
ちょっと前にも、レゴではなくおもちゃはどうなの?って問題も紹介していたんですが。
この論文では、おもちゃの効果についてははっきりした結論が出ていなくて。いろいろ調べてはおりました。まあ、これはおもちゃを買い与える親御様も含めて
・生徒がレゴを使っているとき、どのようなスキルと能力が開発されているか?
・生徒のやり方や年齢や性別に関する資料を扱う能力に違いはあるのか?
あるいは
・STEM教育何からやれば良いのかわからない!
なんてのが議論ではある所。
そんな中、レゴが数学学習に効果があるのかを1年間調べてくれた研究がございましたのでちょっと紹介させていただきます。
レゴと数学学習の関係とは?
この論文の特徴的な所は、サンプル抽出におけるランダム化を2回も行っている所と、実際のスコアのみならずインタビューや授業の様子も観察している所。けっこう手が込んでるんですよねー
インタビューで面白かったのが、
・「児童はワーキンググループでよりよく協力できる」
と思っている一方
「LEGO教材は学校で使用すべきではない」
「LEGOロボットと一緒に働くとき、男の子と女の子が同じようによく覚えている」
との意見も多かったみたい。この辺は、おもちゃの男女差にあまり違いが出ませんでした。
肝心の、数学学習においては
・5年生において、優位な成果が得られた
(2標本t検定を使用して調べると、p値= 0.000で平均の0.711から0.817)
・ところが、9年生(中学3年)になると、レゴ訓練での改善はみられなかった。
という結果に。ちょっと注意しますと、5年生の生徒が9年生になった時を観察したのでなく、あくまで別々に調査してます。(個人的には追跡調査もして欲しかった)
この違いに関しては著者は言及していないのですが、個人的には
「学年における図形の比重の違いなのでは?」
とにらんでおります。というのも、5年生は図形の面積の求め方がけっこう主流だったりする一方、9年生だと、関数や方程式がメインになりがちなんですよね。まあ単に年れが早いほどいいのかもしれませんが。
というわけで、幼児期や早期教育についてはまだわからんものの、レゴは5年生には効果あり!
と思っていいかと思います。5年性といえばそろそろ数学でつまづく時期。教育ツールとしてひとつ参考までに。
参考
http://citeseerx.ist.psu.edu/viewdoc/download?doi=10.1.1.96.4677&rep=rep1&type=pdf